幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



頬を撫でると、総司は手を避けた。


黒い瞳で、こちらを見つめる。


「好きだ、楓」


かすれた声が、あたしの心臓を揺さぶる。


「俺にとって何より大切なのは新撰組だったけど……それ以上に愛しく思ってたのは、お前だった……」


だった、ってなに。


過去形にしないで。


これからも、一緒に生きるんだよね?


「会いたかった……顔を見て、抱きたかった……」


総司は愛しげに、あたしのお腹をなでる。


「ずっと……見守ってる。そばにいるから……この子を、よろしくな……」


よろしくな、って。


人任せにしないでよ。


この子はあたしの子でもあるけど、あんたの子でもあるんだよ?