「あたしじゃ、総司の生きる意味になれないの?」
発作が治まったのか、はあはあと息を整えながら、総司がこちらを見上げた。
「勝手に死ぬ覚悟なんかしないで。あたしを置いていかないでよ」
「楓……」
「ねえ。わかる?」
あたしは総司の手を引き、自らのお腹に当てる。
「ここに、新しい夢があるんだよ」
「……は……?」
「あたしたちの赤ちゃんが、いるの」
ゆっくりあたしの言葉を飲み込んだ総司は、やや遅れて、閉じかけていた目を見開く。
「本当か?」
「うん」
「子がいるのか」
「そう」
「ばっかやろ……なんでそれを早く言わねえんだよ……」
総司は空いている方の手で、目元をぬぐった。
泣いているのか、日差しがまぶしかったのか、それはよくわからなかった。
「だから、死んじゃだめ」
「おう……一気に死にたくなくなったわ……」
「でしょう?」



