幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「俺たちが追いかけた夢が……とうとう散ってしまったか……」


俺たち、というのはもちろん新撰組のことだろう。


誠の武士をめざした彼らの夢が、儚く散っていく。


総司の気持ちを想うと、胸が締め付けられた。


「よく戦いぬいたよ。局長も副長も、みんな褒めてくれるよ」

「ああ……」


総司の顔色が、どんどん悪くなっていく。


頬や唇から血の気が失われていき、握った手から力が抜けていった。


「かえ、で……そこに、いるか……?」


定まらない視線。震える声で総司はあたしの名を呼ぶ。


「総司、聞こえてる?大丈夫、あたしはここにいるよ」


大声で応えると、総司は少しホッとしたような顔をした。


「すまねえな……こんな最果ての地まで、つきあわせちまって……」


「ううん、あたしが勝手についてきたんだよ」


「そうじゃ、ねえよ……」


総司はあたしの手を、そっとにぎりかえす。


「俺が、どうしても、お前を……離せなかったんだ」