「もういいよ!」
止まってくれるわけがないことは、わかってる。
でも、総司は霊力も体力も、朧との戦闘でほぼ使い切ってしまったはず。
この勢いで戦い続けて勝ったとしても、弁天台場にたどり着くころには力を使いきって死んでしまう。
「死んだら、何の意味もないんだよ……!」
武士は、死を恐れないもの。
いつそれが訪れてもいいように、覚悟していなければならないもの。
戦場で散っていくのなら、それはあんたにとって本望かもしれない。
でもね、総司。
残された人たちの無念はどうしたらいいの?
あたし、まだ、あんたに伝えていないことがあるんだよ。
とてもとても、大事なこと……。
「生きて……」
武士の時代は終わったんだ。
新撰組のみんなや、総司は、怒るかもしれない。
でも、あたしは今、声を大にして叫ぼう。
武士の矜持より、名誉より、仇討ちより、手柄より、なにより大事なのは、命だ。



