幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「もういいよ!」


止まってくれるわけがないことは、わかってる。


でも、総司は霊力も体力も、朧との戦闘でほぼ使い切ってしまったはず。


この勢いで戦い続けて勝ったとしても、弁天台場にたどり着くころには力を使いきって死んでしまう。


「死んだら、何の意味もないんだよ……!」


武士は、死を恐れないもの。


いつそれが訪れてもいいように、覚悟していなければならないもの。


戦場で散っていくのなら、それはあんたにとって本望かもしれない。


でもね、総司。


残された人たちの無念はどうしたらいいの?


あたし、まだ、あんたに伝えていないことがあるんだよ。


とてもとても、大事なこと……。


「生きて……」


武士の時代は終わったんだ。


新撰組のみんなや、総司は、怒るかもしれない。


でも、あたしは今、声を大にして叫ぼう。


武士の矜持より、名誉より、仇討ちより、手柄より、なにより大事なのは、命だ。