幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「いた……」


痛い。熱い。


ああ、あたし初めて……銃に撃たれたんだ。


「楓、大丈夫かっ、楓!」


「う……大丈夫じゃない!痛いよ!」


どんな偶然か、弾丸が当たったのは右肩。


近藤局長と同じ場所だ。


悲鳴を噛み殺すのに必死で、自分で止血もできない。


「バカなことしやがって!」


総司はあたしを馬の影に座らせ、腰に巻いていた浅葱の羽織を歯で引き裂く。


それで傷口をぎゅっと縛ると、爪で傷ついた手のひらで、刀を握りなおした。


「お前は逃げろ!あいつら……絶対許さねえ!」


「総司、待って……」


「新撰組局長・土方歳三!俺の誠にかけて、ここはもう一歩も通さねえ!」


自分だって怪我をしているのに、総司は刀を手に走っていく。


次々に飛んでくる弾丸にひるむことなく関門へ突っ込み、敵兵を一人斬った。

振り向きざまに、もう一人。


「もうやめて……」


胸を突き、腕を切り落とし、首をはね……。

総司は次々に敵を斬り倒していく。