幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「……うるさい」

「ああ?」

「うるさいっ!」


朧は銃を捨て、黒い呪符を取りだした。


「総司っ、注意して!」


あれは局長や副長を殺した、呪いの呪符。


二回もそれを目の当たりにすれば、バカでも警戒する。


風の力を強めた総司に、朧はそれを何枚も投げつけた。


呪符は風の壁に当たって止まるが、落ちはせず、壁を突き破ろうとしているように見える。


「くっ……」


総司は刀を前に出し、風の壁を維持しようと霊力を放出する。


いつも余裕だった朧の顔が、まだ怒りに燃えていた。


「もしかしてあんた……純血なのに、あの幻影が使えないの?」


「っ……うるさい、黙れ!」


あ、図星みたい。


朧は顔を真っ赤にし、あたしをにらみつける。


「なんだよ、お前も俺と同じか!」


総司はそう言うと、力を込めた刀で、朧の呪符を切り裂いた。


おさまる風と共に、紙くずとなってはらりと落ちる呪符たち。