「総司!」
銃に刀じゃ、やっぱり不利だ。
苦無をにぎる手に力を込める。けれど……。
「そんなもん、怖くねえんだよ!」
総司の周りに、突然つむじ風が巻き起こった。
土方副長が操っていた、風の力だ。
立ち込めていた硝煙のにおいが、風に散らされていく。
「霊力を燃やしているのか」
朧はそうつぶやき、新しい弾丸を銃に込めた。
そして、また一発発砲する。
しかしその弾丸は、風の壁に巻き込まれ、やがて地上にぽとりと落ちた。
「ちっ……」
「どうした、朧。お前は陽炎のような幻影は使わないのか?あの紫色の炎は」
舌打ちした朧に、総司が訪ねた。
そういえば、朧は見た目は純血の忍なのに、陽炎が操っていた炎の幻術を使おうとしない。
何故だろう?
銃をかまえたままの朧の顔が、憎悪の表情を浮かべて歪む。



