鋭い斬撃は止むことなく、朧に降り注ぐ。
とうとう避けきれなくなったのか、朧は小銃でその切っ先を受け止めた。
けれど総司は、力でそれを押し切る。刀の腹が、朧の腕に食い込んだと思われた。けれど……。
「ちっ!」
総司が舌打ちをする。
刃に裂かれた朧の黒い忍装束の間に、鈍く灰色に光る何かが見えた。
朧は腕の角度を変えると刃を滑らせ、総司から距離をとる。
「南蛮鉄でできた手甲だ。これはそんななまくら刀には斬れんぞ」
むき出しになった朧の腕には、たしかに鉄でできた鎧のような手甲が。
あんなものをつけて、あんなに速く動いていたなんて。
驚く暇もなく、朧は銃口を総司に向け、躊躇なく引き金を引く。
鋭い銃声が結界内に響き、白い煙が上がる。
総司はその弾丸を、刀で撃ち払った。
しかし間髪入れず、朧は次々に総司に向かって銃を連射する。
その何発かがこめかみの髪をかすめ、腰に巻いた浅葱の羽織に穴を開けた。



