幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



宇治川から、まだ味方が留まっている伏見へと帰る。

すると、薩摩兵がいた御香宮方面から、後退してきた新撰組と旧幕府軍を見かけた。

みんな疲労困憊しているようで、暗い顔をしている。


「監察、大丈夫かな……」


心配だったけど、彼らと合流したらまたいらない時間を食ってしまいそうだ。

あたしたちは目立たないよう、闇夜に紛れ、そのまま歩を進めた。

すると。


「うーわ、マジじゃん!アホだろあいつら!」


焼け落ちた伏見奉行所の辺りで、高台から降りてきた敵と遭遇。

原田先生の言っていた通り、数はおよそ30。

陣笠の下から、鱗に覆われた顔が見えた。


「団体でもののけの肉を食らうなんて、どうかしてるよ」

「そのために水辺のもののけを、わざと殺すようなことをしたのかもしれねえな。
そこまでして、やつらはこの戦に勝ちたいというわけだ」


平助くんと総司が、嫌悪感を露わにした。