幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「でもどうして、こんなときに……」


もうすぐ激しい戦が再開されようってときに。


どうせなら、もっと平和な世に授かりたかった。


ううん、あたしにとっても総司にとっても、出会ってから平和に生きていたときなんか、なかったけど……。


「授かったもんは仕方ないだろ!あんたは、その子をどう守るかを考えなきゃ。さっさと旦那に言って、すぐ相談しておいで。ご主人なら、なんとか二人ともロシア行きの船に乗せてくれるかも」


槐とあたしがおろおろしているからか、息子ちゃんはハラハラした表情でこちらを見ていた。


なんとか守らなくちゃ。


それはわかってる。


だけど、総司は何て言うだろう……。


総司の反応が怖くて、帰り道は行きよりもっと足取りが重かった。