「でもどうして、こんなときに……」
もうすぐ激しい戦が再開されようってときに。
どうせなら、もっと平和な世に授かりたかった。
ううん、あたしにとっても総司にとっても、出会ってから平和に生きていたときなんか、なかったけど……。
「授かったもんは仕方ないだろ!あんたは、その子をどう守るかを考えなきゃ。さっさと旦那に言って、すぐ相談しておいで。ご主人なら、なんとか二人ともロシア行きの船に乗せてくれるかも」
槐とあたしがおろおろしているからか、息子ちゃんはハラハラした表情でこちらを見ていた。
なんとか守らなくちゃ。
それはわかってる。
だけど、総司は何て言うだろう……。
総司の反応が怖くて、帰り道は行きよりもっと足取りが重かった。



