「ええと……あれ?」
いつだっけ。思い出せない。
男どもと一緒に戦場に出る身としては、そんなものない方が都合が良かったから、あまり気にしていなかった。
でも、なんでそんなこと聞くんだろう?
ぼんやりしていると、槐が頬を紅潮させ、少し興奮したみたいな表情であたしの肩をつかむ。
「楓、あんた……」
「な、なに?」
「妊娠してるんじゃないか?」
に……に……人参?
あたし、そんな赤い野菜じゃないけど……。
「……内診してみないとわからないけれど、おめでたの可能性が高そうですな」
では、とお医者様はお湯をわかすと言って部屋を出ていってしまった。
おめでた……にんしん……。
「まさか!」
この腹の中に、赤ん坊がいるってこと?そんなバカな!
そりゃあ、総司とはその可能性があることを全くしないわけじゃない。
とくに冬の間は戦闘がなかったおかげで、わりと夫婦らしく仲良くしていたけど……。



