幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「この方はお医者様だよ」


よく聞くと、おじいさんは、あたしが訪ねようと思っていたお医者様その人らしい。


「ああ……良かった。体調がすぐれなくて、おうかがいしようと思っていたところだったんです」


「どうしたんだね?」


「ずっと胃の調子が悪くて、あまり食べていないんです。だから血が足りなくなって倒れたのかも」


「ほう」


お医者様はあたしの近くに寄り、じっと顔色を見る。


首を触って脈を計り、聴診器を取りだした。


「大丈夫なの?」


「それがね、気持ちも落ち込みがちで、胸やけみたいなのもあって、全身がだるくて……この前の二股口での戦闘で雨に打たれたからかなあ」


「ん……?」


槐は少し微妙な表情で固まる。


あれ?あたし、何か変なこと言った?


キョトンと彼女を見上げると、お医者様がのんびりとした口調で尋ねてきた。


「ご婦人、最後に月のものが来たのはいつでしたかな?」


月のモノって……あれだよね。