「この方はお医者様だよ」
よく聞くと、おじいさんは、あたしが訪ねようと思っていたお医者様その人らしい。
「ああ……良かった。体調がすぐれなくて、おうかがいしようと思っていたところだったんです」
「どうしたんだね?」
「ずっと胃の調子が悪くて、あまり食べていないんです。だから血が足りなくなって倒れたのかも」
「ほう」
お医者様はあたしの近くに寄り、じっと顔色を見る。
首を触って脈を計り、聴診器を取りだした。
「大丈夫なの?」
「それがね、気持ちも落ち込みがちで、胸やけみたいなのもあって、全身がだるくて……この前の二股口での戦闘で雨に打たれたからかなあ」
「ん……?」
槐は少し微妙な表情で固まる。
あれ?あたし、何か変なこと言った?
キョトンと彼女を見上げると、お医者様がのんびりとした口調で尋ねてきた。
「ご婦人、最後に月のものが来たのはいつでしたかな?」
月のモノって……あれだよね。



