目を覚ますと、知らないおじいさんがこちらをのぞき込んでいた。
「気がついたかい?」
あたし……どうしたんだっけ。
やさしそうなおじいさんは白髪の上に頭巾をかぶっている。
その後ろのドアから、突然見知った顔が飛び出した。
「あ、槐!と、息子ちゃん!」
開いたドアから現れたのは、槐母子だった。
がばりと飛び起きると、二人があたしが寝ていたベッド脇に寄ってくる。
「大丈夫?たまたま通りがかりにあんたを見つけたと思ったらいきなり倒れるから、驚いたよ」
槐は差し入れだと言って、風呂敷に包んだ葡萄を持ってきてくれた。
「倒れた……のか」
突然景色が歪んで、立っていられなくなったのはなんとなく覚えている。
最後に名前を呼んで、助けてくれたのは槐だったんだ。
槐は前に会った時と同じように、着物の上に白い前掛け(エプロンというらしい)をかけている。



