幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



一度は撃退したものの、新政府軍の第二軍、第三軍が続々と江差に到着。


武力も増強した敵軍は、再度旧幕府軍に攻撃を開始した。


先の戦闘から約10日後、あたしたちが守備する二股口も、再び敵と衝突。


「手を休めるんじゃねえ!大丈夫だ、俺たちは勝てる!」


総司がそう言うと、追い風が吹くみたいな気がした。


だってほら、弾丸がいつもより早く飛んでいくような……。


ふと見ると、総司は刀を抜いて、振り上げていた。


それは兵士たちを鼓舞する目的だけじゃなくて。


「あいつ!」


土方副長の風の力、使ってる~!

追い風、本当に吹いてる~!


激しい銃撃戦でいっぱいいっぱいな味方たちは気づいてないみたいだけど、あたしには総司の体から刀の先を伝って、その霊力が放出されていくのがはっきりわかった。


やばい!早く勝たないと、総司が霊力使い切っちゃう!


あたしは無我夢中で、それまでより早く引き金を引き続けた。


追い風のおかげか、土方軍はなんとか台場山を守り抜いた。