「大変だ。街に、もののけが現れた。いや、正しくは……」
原田先生は全速力で走ってきたらしく、息を整えながら言う。
「もののけと同化した薩長軍が、幕軍に向かって行進してきてんだ。数はせいぜい30人ほどだが、鉄砲を持ってる」
「えっ!」
そうか、彼らはもののけの死肉を口にしたんだ。
何て事……たった30人でも、もののけの体力を持った薩長軍に急襲されたら、旧幕府軍への打撃は計り知れない。
「もののけ相手じゃ、大っぴらに兵を出すわけにもいかない、か」
「今土方さんが、味方を率いて後退してる。けど、このままじゃ夜明け前に衝突しちまう。こっちは昼の戦いでクタクタなやつしかいねえんだ。頼む、総司……来てくれないか」
「わかりました」
総司はうなずくと、銀月さんのいる方向にむかって怒鳴る。
「あとの指揮は銀月に任せる!俺は人と同化したもののけの始末に向かう!」
「御意!」
銀月さんの返事が聞こえると、総司は原田先生の後に続き、走り出した。
そのあとをあたしと平助くんが追う。



