幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「へへ……でも、こんな終わり方も悪くないね。
俺たち、けっこう役に立った……でしょ?」


苦しいはずなのに。痛いはずなのに。


平助くんはいつもの調子で、笑うように言う。


「せっかく助かったんだから……お前は、これからも生き延びて……がんばれよ、な……」


「平助!」


平助くんの体が光を放つ。


胸からその光の元となる、彼の魂が現れた。


「大好きだったよ、楓……。総司といつまでも、仲良く……ね……」


「平助くん……!」


思わず、光の玉を平助くんの体に押し戻そうとする。


けれど、それはするりとあたしの手のひらをすりぬけ、天に昇っていってしまった。


「やだ……いやだぁぁぁぁっ!」


やっと会えたと思ったのに。


まだまだ、話したいことがいっぱいあったんだよ。


平助くんの体が、狐から人間の姿に変わっていく。


芹沢や、御陵衛士。


もののけと同化した人たちが、みんなそうだったように。


最後だけは、人としての姿で迎えられるんだ……。