「はは……びっくりして、遠くの海に……逃げたみたいだよ……。
自分の住処を……荒らされたくなかった……だけなんだね……」
「海坊主も……同様です」
そうか、あのもののけたちは、敵側についていたわけじゃなかったんだ。
二人はなるべく傷をつけず、彼らを追い払ったみたいだった。
「しっかりして」
止血しようとするけど、銃弾に貫かれた傷からは、とめどなく血が溢れだす。
「もののけの時代は……終わりました。もうほとんどの狼が……」
「すまねえ、銀月。俺が……俺が不甲斐なかったばかりに」
「謝らないで……ください。
我が誇り高き一族は、後悔など……していないのですから」
狼が……ほとんどいなくなってしまった……。
鳥羽伏見以前から、徐々に数が減っているとは聞いていたけど。
まさか、この国から狼がいなくなってしまう日が来るなんて。
「総司……ごめんな。最後まで、俺も新撰組の一員として、お前と戦いたかったけど……」
「平助!」
平助くんは、口からごぼりと血を吐く。



