幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「総員退避!総員退避!艦長がやられたーっ!」

そんな。


自分の耳を疑った。


もしやさっきの機関銃の乱射攻撃で、甲賀さんが撃たれてしまったの?


「なんだと?」


顔をしかめた総司が、一瞬足をゆるめてしまった。


あっと思う間もなく、敵の機関銃が火を噴く。


「総司ぃぃぃぃっ!!」


あたしの悲鳴は、すさまじい銃声にかき消される。


何十発と言う銃声が連続で聞こえ、あたしはその場にへたり込んでしまった。


「あ…ああ……」


涙が溢れる。


すべてが終わってしまったのだと思った。


しかし。


着弾の煙が少しずつ薄らいでいく。


そこに、あたしは見た。


座り込んだ総司の前に、白い狐と灰色の狼が横たわっているのを……。


「平助くん!銀月さん!」


二人とも、体に複数の銃弾の跡がついていた。