幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「生きていたのか」


総司の顔が輝く。

すると、平助くんが明るい声で答えた。


「当たり前だよ!蝦夷に向かおうと思ったら、大変なことになってるからさ」


「ご心配をおかけしました。もののけは私たちが引き受けますゆえ」


二人とも、無事だったんだ……!


再会を喜ぶ間もなく、平助くんは縁から波の中へと飛び降りていってしまった。


「平助くん!」


波の上で、白い光が飛び跳ねる。


人魚に噛みついたり、体当たりしているみたい。


「すごい!」


このまま人魚たちを撃退できれば、高雄や蟠龍も合流できるかも!


そんな淡い期待を抱いた矢先……。


「なんだあれは」


隣でごくりと息を飲む音がした。


総司の視線の先を追うと、そこにいたのは……。


「ええー!!」


波の間から、一際大きな波が現れたと思った。


しかしそれは、二つの目を持っている、巨大な人間のようだった。