幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「不安な人はこの縄を使ってー!」


先に鉤爪をつけ、回天へ投げ返す。


そのまま甲板に立っている柱へ、縄をくくりつける。


「なんだお前は!」


背後からパン、と銃声がした。


反射的に身をすくめて振り返ると、敵兵が銃を持ってこちらをにらんでいた。


と気づいた時には、すでに引き金にかけられいた指が動くところで……。


逃げる暇もなく、二発目が発砲される。


撃たれる……!


思わず目を閉じた。すると。


──キイン!


鋼が、何かを撃ち返したような音がした。


おそるおそる目を開けると……。


「総司!」


目の前にあったのは、総司の背中だった。


「お、おのれえっ」


もう一発発砲される。


その弾丸を、総司は人間とは思えない速さで振り上げた刀で、撃ち払った。


「こいつは、俺が守る!」


総司はそう怒鳴ると、銃を持っている相手に向かい、刀一本で突っ込んでいく。