幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「総員、斬り込み用意!このまま甲鉄に突っ込んで、乗り移るぞ!」


力強く響く声が、兵士たちを勇気づけていく。


そのまま船は荒波の中を進み、宮古湾へ入った。


「敵艦、八隻発見」


は、八隻……。


もう、考えてもしょうがないや。


やるしかないんだから。


やがて甲鉄の姿が夜の闇の中に現れた。

「よし、接舷しろ!」


総司が怒鳴ると、掲げていたアメリカ国旗が降り、日の丸の旗が掲げられる。

回天はそのまま、甲鉄の左舷に突っ込んだ。


軸先が甲鉄の甲板の上に重なる。


「斬り込め!」


って言われても、船は揺れるし、軸先は細いし。


これじゃ、飛んで乗り移る前に海に落ちちゃう。


「しょうがないなあ!」


ここは、元忍のあたしががんばるか!


あたしは誰より先にまとめた縄を肩にかけ、穂先の上を走って、甲鉄に飛び移った。