「は、早かったんだね」
「ああ、どうするかすぐに決まった」
総司は自分の上着を脱ぎ、あたしにかけてくれる。
「帰る?帰る?ねえ、帰るんだよね?」
「帰りてえんだな。残念だが、作戦は続行だ」
「ええ~そんなあ!」
あきらかにがっかりしたあたしの髪を、総司がてぬぐいで手荒くふきながら続ける。
「甲鉄を奪うのも、もののけと決着をつけるのも、早い方がいい」
「そうだろうけど、せめて朝まで待とうよ。
朝になればもののけの力は弱まるし、蟠龍も合流できるかも……」
「アホ。夜の間に近づかなきゃ、すぐに俺たちの船だって見破られちまうだろ」
そ、それもそうか。
甲板の上に出て行こうとする総司を追っていくと、途中で甲賀さんに出会った。
偉い人特有の髭はなく、髪も短くさっぱりとした人だ。
「土方さん、今高雄から連絡があった。機関が故障したそうだ」
「なんですって」
甲賀さんは眉をひそめ、うなるように言った。



