「ぎゃあ!」
ずぶ濡れになっちゃったよ~!
視界を邪魔する前髪をかけ分けていると、総司の声がした。
「あれは……もののけか!?」
え?今、なんとおっしゃいました?
なんだか懐かしい言葉を聞いたような……。
海の上に顔を向けなおす。
すると、暗い波の中に二つ、ぼんやりと光るものがあった。
あれは……目?
そして、ばしゃばしゃと跳ねる、巨大な魚の尾ビレのようなもの。
それは群れとなって、回天の周りを移動していた。
「もしや、人魚?」
尾が水に入っているとき、ときどき、白い手のようなものが見える。
「母さんが言っていた。人魚が海に出ると、波が荒れるって……」
「人魚?銀月の話じゃ、海のもののけたちは戦いから手を引いたはずじゃなかったのか?」
「そうだけど……はぐれ者なのかな?」
「くそ!団結しとけっつうんだよ!」



