幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「ねえ、平助くん。まず氷の柵を作って、それで川に沈めておくのはどう?」

「ん?ああ……なるほど。楓、冴えてるじゃん!」


そう言うと、平助くんはその辺に落ちている木の枝を拾い出す。

皆で手伝い、それを柵の形にした。


「じゃあ、凍らせるよ」


そう言うと、平助くんは木の枝にふっと息を吹きかける。

すると、たちまちに木の枝の表面が固い氷に覆われ、立派な柵になった。


平助くんの力、もののけになって強くなったみたい。


「敵の武器を全部凍らせちゃえばいいのに」

「昼間はうまくいかなかったんだよ。もののけになりたてだからかな」


平助くんが獣耳を生やしたまま、首をかしげる。


そうか、普通のもののけは昼間は力が弱くなるんだっけ。


「日光や火を当てられれば、氷も溶けちまうしな」

「そっかあ……」


総司の補足に納得しているうちに、木の枝と氷の柵は出来上がった。

夜は川の水も冷たいし、一晩は持ちこたえてくれるだろう。