幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



冬の間は、蝦夷地の厳しい気候のため、敵味方共に戦闘の準備ができていなかった。


そのため、戦は一時休戦となり、あたしは毎日を穏やかに過ごしている。


もちろん総司は土方歳三として、軍議に参加しなくちゃいけないから、勉強や準備で忙しく、いつも夜遅くまで起きてがんばっていた。


「う~、寒いよ~……」


あたしは総司に頼まれ、土方軍の出資者である商人の家を訪ねることに。


その商人はロシア人で、函館との貿易で利益を得ているという。


『ある品物を頼んでいるから、受け取ってきてくれ』


って言われて手ぶらで来ちゃったけど、もしかして刀とか銃とか、重いものだったらどうしよう。


あたしは誰が着ていたかもわからないおさがりの軍服で、商人の家の玄関先に立った。


そこは西洋風の大きなお屋敷で、思わず口を開けて見上げてしまう。