幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「蝦夷共和国の誕生だってよ」


「共和国……なんかよくわかんないけど、ひげのオジサン、かっこいい名前つけたね!」


「榎本さんな。総裁の名前くらい覚えておけよ」


あたしは、口の上の髭を綺麗に油で整えた、榎本さんの真面目な顔を思い出して笑った。


ちなみに大鳥さんはもみあげからあごまで、ちりちりの髭が繋がっている(そのわりに額が寂しい)。


西洋では、えらい人はみんな髭を生やしているのかしらん?


「まさか、武士を目指してきたあたしたちが、城を通り越して国を作っちゃうなんてね」


しかも総司……というか『土方歳三』は、共和国政府の選挙で、陸軍奉行並に選出された。


お奉行様だよお奉行様!


ちなみに総裁は榎本武揚氏、大鳥圭介さんは陸軍奉行。


「きっと、天にいる近藤局長さんたちも驚いてるな」


あたしたちは寄り添い、雪が舞う星空を見上げた。


瞬く星たちの上で、近藤局長たちがきっと笑ってくれている。


そう思えた。