幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「くそう……撤退!撤退―!!」


旧式の武器しか持っておらず、砲手を捕縛された松前兵は撤退を始める。


そのうちに焦げたようなにおいがしてきたと思ったら、城から火の手が上がった。


「自らの手で城に火を放ったか」


気がつくと、総司がそばにいた。


「よくやったな。助かったぜ」


くしゃりと頭を撫でて微笑む総司。


見とれる間もなく、それは戦場の厳しい指揮官の顔に変わる。


「皆の者、よくやった!しかし、戦いはこれで終わりじゃない。気を抜くな!」


その言葉通り、6日後には逃げた松前兵を追い、土方軍は江差へと出陣。


またまた大砲を構えている敵の背後から近付き、正面に迫った本隊からの威嚇射撃に敵が怯んだ瞬間、突撃し勝利をおさめた。


こうして、すべての蝦夷地は旧幕府軍の支配下におかれることとなった。


「やっと……やっと温かいところで一息つける~!!」


あたしたちは五稜郭へ凱旋。


12月、旧幕府軍は蝦夷地を平定したとして、祝砲を鳴らした。