幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「このままじゃらちがあかねえ。
城門が閉じている間に門前近くまで進め!」


「ええっ、いつ開いて砲撃されるかわからないのに?」


「真ん中を行くバカがあるか。
左右に別れて行くに決まってるだろ」


「わ、わかってるもん……」


総司が指示を出すと、あたしを含めて十余人の兵士が前に出た。


監察時代を思い出しながら、門が閉じている間にこっそりと門前に寄る。


他の兵と左右に別れて待っていると、門が開き始めた。


「行くよ!」


大砲が火を噴く前に、あたしたちは門の中へ突撃する。


あたしは一番に敵の砲手に苦無を投げつけ、相手が怯んだところに縄を巻き付けた。


「よしっ。土方さーん!突撃していいよー!」


手を振ると、総司が遠くでこくりとうなずくのが見えた。


一緒に突撃した味方が刀を抜き、付近にいた敵と交戦しはじめる。


すると城の中から弾丸が飛んできて、あたしは紙一重でそれを避けた。


そのうちに約7百名の味方が押し寄せる。