今は五稜郭に遺されていた小さめの洋服の袖やすそを折り曲げ、なんとか着ている状態。
「落ち着けるわけねえだろ。蝦夷地を完全にモノにするには、松前城攻略が必須だ」
「え……それって、いつ?」
「明日だ」
「ふおおお~!本気ですか~!?」
五稜郭を奪取して勢いに乗った旧幕府軍は、入城の翌日には松前に出陣することに。
もうちょっとあったまってからにしようよ……と言えるわけもなく、あたしは慌てて温かそうな外套を見つけ、洋服と共に長さを直すはめになったのだった。
楓ちゃんが~よなべ~をして~軍服縫っただよ~
めちゃくちゃな歌を歌いながら雪の中を進軍し、松前城に到着。
早く攻略して帰りたい。
色んな意味でやる気満々で向かった搦手門が開く。
するとそこに鎮座していたのは、大きな野戦砲だった。
敵は一発こちらに砲弾をお見舞いすると、すぐに門を閉じてしまった。
かと思うとまた門を開き、撃つと閉じる。
あたしたちを城に入れないまま撤退させようという気らしい。



