幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



今は五稜郭に遺されていた小さめの洋服の袖やすそを折り曲げ、なんとか着ている状態。


「落ち着けるわけねえだろ。蝦夷地を完全にモノにするには、松前城攻略が必須だ」

「え……それって、いつ?」

「明日だ」

「ふおおお~!本気ですか~!?」


五稜郭を奪取して勢いに乗った旧幕府軍は、入城の翌日には松前に出陣することに。


もうちょっとあったまってからにしようよ……と言えるわけもなく、あたしは慌てて温かそうな外套を見つけ、洋服と共に長さを直すはめになったのだった。


楓ちゃんが~よなべ~をして~軍服縫っただよ~


めちゃくちゃな歌を歌いながら雪の中を進軍し、松前城に到着。


早く攻略して帰りたい。


色んな意味でやる気満々で向かった搦手門が開く。


するとそこに鎮座していたのは、大きな野戦砲だった。


敵は一発こちらに砲弾をお見舞いすると、すぐに門を閉じてしまった。


かと思うとまた門を開き、撃つと閉じる。


あたしたちを城に入れないまま撤退させようという気らしい。