新撰組は炎上した奉行所から撤退し、他の旧幕府軍と合流した。
そこで聞いた話では、どの軍も、薩長の近代兵器の前になす術もなかったらしい。
まさか、薩長の軍事改革がそこまで進んでいたなんて……。
「もう、剣や槍では戦はできねえってことか」
永倉先生が悔しそうに言った。
彼が何とか帰ってきてくれたのはいいけど、2番隊は多くの隊士が亡くなってしまったらしい。
他の隊でも、多くの死傷者が出た。
本当は彼らの手当てや弔いも手伝いたかったけれど、あたしと総司、銀月さんと平助くんはもののけ対策のために川辺で夜を迎えた。
「やつらは、川を渡ってこちらに近づいてくるつもりでしょう」
銀月さんがそう言うので、伏見から一番近い宇治川付近にあたしたちはいた。
鳥羽の方へ流れる桂川には、他のもののけが見張りに行っている。
「平助、以前のように川を凍らせることができるか?」
「んー……氷の力は使えるけど、川全部を凍らせることはさすがに……」
水音は今のところ、戦のことなんか関係ないというように、さらさらと静かに流れている。
平助くんが困った顔で、そんな川を見つめていた。



