じっと、まっすぐに総司の目を見つめる容保様。
新撰組として京で活動していた頃は、容保様は近藤局長しか会えない雲の上の人で、こうしてお目にかかれるなんて思ってもみなかった。
けれど、どうだろう。
いざ目の前にしてみれば、ただの人でしかない。
「……承知いたしました」
総司はまぶたを伏せると、その場から退出した。
そのすぐ後を、あたしと斉藤先生が追う。
外はもう、日が暮れていた。
本陣の一室を借り、蝋燭を灯すと、総司は静かに口を開く。
「俺はすぐに、庄内へ向かう。お前はどうする、斉藤」
「……容保様は、もう覚悟されておられたな」
斉藤先生が深いため息と共に、言葉をこぼした。
「覚悟?」
って、なんの覚悟?
「あの方は、もう会津が落とされることを覚悟してんだろうってことだ。
だから俺に『逃げろ』という意味で、庄内への援軍を命じたんだろう」
えっ!
なんか長いこと見つめ合ってるなあと思ってたけど……そんな風に通じ合ってたの?



