「仕方ねえな。ほれ」
ぼふ、と頭から重たい軍服がかけられた。
「着ておけ」
「え、でも……あんたも、容保様に拝謁するなら正装じゃないとまずくない?」
「戦の最中なんだ。容保様だって、人の格好を気にしている余裕はねえさ」
そうして、あたしと総司、斉藤先生は、本陣で指揮を執る会津藩主・松平容保様のところへ向かった。
「申し訳ございません。敵の進軍を止めることがかないませんでした」
開口一番、総司は容保様に向かって頭を深く下げる。
敵が若松城下になだれ込んでくるのは時間の問題だった。
「いや、お前の責任ではない。面を上げよ」
容保様は冷静な表情で、総司に顔を上げるように指示した。
「土方、斉藤。そなたたち新撰組も、ここまでよく戦ってくれた。礼を言う」
そう言うと、容保様はふうと小さく息をついた。
「……土方、頼みがある」
「なんなりと」
「庄内藩へ、援軍を呼びにいってくれぬか」



