「銀月さん、どうかお元気で。本当にありがとう」
「……あなたも……どうか、どうか……いつまでも……」
喉を詰まらせたような銀月さんの声。
初めて聞く声に後ろ髪を引かれながらも、あたしは手を離して走り出した。
彼らの恩に報いるためにも、あたしたちが逃げるわけにはいかない。
懐から苦無を取り出し、あたしは戦の直中に戻っていく。
総司の居所は、誰よりも速く閃く白刃が照り返す光が教えてくれた。
あたしはあの光を、追っていくだけ。
そうして奮迅するも、敵の圧倒的な兵力に押され、旧幕府軍は撤退を余儀なくされてしまった。
ただ銀月さんが生き延びてくれたと信じることだけが、あたしや総司の救いだった。



