幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「銀月さん、どうかお元気で。本当にありがとう」


「……あなたも……どうか、どうか……いつまでも……」


喉を詰まらせたような銀月さんの声。


初めて聞く声に後ろ髪を引かれながらも、あたしは手を離して走り出した。


彼らの恩に報いるためにも、あたしたちが逃げるわけにはいかない。


懐から苦無を取り出し、あたしは戦の直中に戻っていく。


総司の居所は、誰よりも速く閃く白刃が照り返す光が教えてくれた。


あたしはあの光を、追っていくだけ。



そうして奮迅するも、敵の圧倒的な兵力に押され、旧幕府軍は撤退を余儀なくされてしまった。


ただ銀月さんが生き延びてくれたと信じることだけが、あたしや総司の救いだった。