幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「げほ……っ。なんですか、これは」

「飲んで!効くかわからないけど」

「わからないんですか……」


銀月さんは横になったまま、呼吸を整える。


「楓!銀月!」


突然の声に驚いて顔を上げると、目の前に白い光が飛び込んできた。

「平助くん!」

「大丈夫?」


平助くんは人間の姿になり、銀月さんの横にひざまづく。


「どうしても狼の群れが気になったんだ」


そう言うと、あたしよりも軽々と、銀月さんの体を抱き上げる。


「銀月、かっこつけすぎだよ。
同じもののけなんだから、俺に連絡するなり相談するなりしてよ」


「藤堂殿……」


「散々助けてもらったんだ。見捨てたりしない!」


そう言うと、平助くんの体が白く光る。


その頭に尖った耳が、お尻から白いふさふさのしっぽが現れた。


「楓、銀月は任せて。お前は総司のところへ!」


「うん、ありがとう平助くん!」


あたしは背負われた銀月さんの前足を、ぎゅっと握った。