「楓殿……」
「総司っ、あとでね!」
「いけません、楓殿」
「怪我人は……黙ってて!」
絶対失わないんだから。
死ぬ気になれば、なんとかなるはずだ!
「頼むぞ、楓!」
総司はそう言い残すと、戦の真ん中に駆けて行く。
あたしは反対方向へ、まだ敵がいない方へと銀月さんを背負って歩いた。
「楓殿……こんなところで離れては……いけません……」
「大丈夫、あの人目立つから。生きていたらすぐに会える!」
足を引きずるようにして、あたしはなんとか敵に見つからないような茂みに潜り込んだ。
横にした銀月さんの傷に手を当て、霊力を流し込む。
「ありがとう、銀月さん。大事な時、いつも総司を守ってくれて……」
絶対に助けてみせる。
もう、涙を流すのには飽きたんだ。
あたしは自分のさらしを力任せに引き抜くと、銀月さんの体に、包帯代わりに巻き付けた。
そして、お守り代わりに持っていた土方散薬を、牙の生えた口に流し込む。



