幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



そして朝日に照らされた峠のふもとに、あたしたちは見た。


一面に広がる獣の遺骸と、人間の姿に戻った、敵の骸を。


「あれは……!」


驚く味方たちの戦闘で、総司が顔色を変えた。


倒れた獣の中に、狼の群れを見つけたからだ。


「まさか……銀月さん?」


彼らが、いつの間にかこんなところに来ていたの?


もしかして、あの中に銀月さんが……


「まさか……」


体中傷だらけのもののけたちの遺骸。


双方の血に濡れた大地。


あまりの光景に言葉を失っていると、左手の山の方から砲声が聞こえた。


「敵の進軍!?」


まさか、これだけ大量の人数を失って、まだ敵がいるって言うの?


驚いている間もなく、峠に敵軍が流れ込んでくる。


「ここからは人間同士の戦いだ。おめえら、気を引き締めてかかれ!」


総司が刀を抜いて振り上げると、味方の気合が響いた。


隊列を組み、敵の方へ突撃する。


けれど、敵の数が圧倒的に多いらしく、味方はあっという間に峠のふもとへと押されてしまった。