幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「あ、土方さん……じゃねえや、総司」


「これは誰の仕業だ、平助」


「その顔でにらむなよ!俺だってわかんねえよ~」


平助くんは早口で、今言ったことを説明する。


もののけたちの気配を感じて峠を見下ろしたら、すでにもののけどうしが衝突しようとしていたらしい。


「一が言うには、こんな強力な結界を張れるのは、もしかしたら岡崎一族かもってさ」


「あいつか……!」


総司の目が暗闇でぎらりと光った。


憎き、近藤局長と土方さんの仇、朧の姿を目の前で見ているかのように。


「わかんねえけどさ。霧が晴れるまで、下手なことはしない方がいいらしいよ。変な呪術にかけられるかもしれな
いし」


「くそっ!」


どういうことなの?全然わからない。


近くにいる敵の、もののけと同化した人間と、銀月さんたち、純粋なもののけたちが衝突したってことみたいだけど。


どうしてそんなことに?


朝が近づいてくると、霧はだんだんと晴れてきた。