銀月さんによると、彼のような年寄りで力の強いもののけは昼でも活動できるけど、ほとんどのもののけは、夜しか本来の力が発揮できないという。
そういえば総司も、月を見なければ狼化しないんだっけ。
「そっか、やけに動けないと思ったんだよね」
少し疲れた顔で、平助くんがため息をついた。
「敵には相変わらず、あの半魚人のもののけがついてるんだろうな。
人間より、あいつらの動きを封じることがお前たちの仕事になるだろう。やってくれるか?」
副長は銀月さんではなく、総司を見つめる。
総司をもののけたちの指揮官として、信用してくれているということだろう。
「はい」
総司は副長を強く見つめ返し、うなずいた。
「楓、平助、お前らも総司について──」
──ドオオオオオオオオン!!
副長が言い終わる前、一際大きな着弾音が響いた。
「副長!副長……!」
隊士がばたばたと駆けこんできて、平助くんは慌てて狐の姿に戻る。
「どうした?」
「今の砲撃で、火がつきました……!どうか、退却命令を!」
そんな……とうとう火事が起こってしまったなんて。
「……そうか。仕方ねえ、ここは退却だ。別の幕軍と合流するぞ。山崎!」
「お呼びでしょうか」



