夜明けには新政府軍が攻めてこようという緊張の中、なかなか眠れないあたしは、同じように目を開けていた総司に話しかけた。
「あの子たちも、出陣するのかな」
「ああ……敵が城下になだれ込んで来たら、そうせざるを得ないだろうな。
あいつらは喜んで会津のために戦うだろうけど……」
「なんとかここで食い止めたいね」
あの子たちというのは、福良にいたころに会った、白虎隊という若い少年たちばかりの部隊のことだ。
総司は彼らの面倒をよく見ていた。
あたしの目には、彼が昔から近藤局長や土方さんに良くしてもらった恩を返そうとしているかのように見えた。
ときには剣術の稽古をつけてやり、その厳しさは京にいるころの総司そのもので。
けれど、会津の少年たちは、その厳しさの中の愛情を確かに受け取ってくれたのだった。
『土方先生、土方先生』と慕われて、総司もまんざらじゃないみたいだった。
「あんな若い子たちを、戦に巻き込みたくない……」



