ぎゅっと、総司の手に力がこもる。
感触は少し変わってしまったけれど、その温かさは依然と変わらない。
「お前は……愚かだと笑うかもしれねえけどな。
主君と呼べる人と、兄と慕った人を助けられなくて、目の前で失って……それでも腹を切らずに生きようとする俺のどこが、武士だって。
生き恥をさらしているだけだって」
総司は顔を背けたまま、苦笑しているみたいだった。
声の調子が、自分自身を笑っているような、そんな気がした。
「笑うわけないじゃない」
たしかに、昔はあたしも、総司が死んだら自分の腹を切ろうと思っていた。
虚勢じゃなくて、本当にそう思っていた。
主君が亡くなったら、自らも腹を切るのが、当然だと思っていたから。
でも、今は違う。
「生きようとすることのどこが恥なの?」



