「土方さん……」
「お前は自立して、家族を支えていかなきゃならねえ立場なんだよ。
いつまでも俺や近藤さんや楓に甘えてんじゃねえ。
一人で立て!楓の手を、お前が引いてやらねえでどうするんだよ!」
ハッと、総司の目が丸く見開かれた。
うなずきかけて、でも土方さんがいなくなるのことを認められなくて、唇を噛む。
黙って涙を流す総司を、土方さんは殴った手で優しく引き寄せた。
「なあ、俺の代わりに新撰組を背負えなんて言ってんじゃねえんだよ。
お前はお前の好きに生きりゃいいさ。
ただ、楓のことだけは裏切るんじゃねえ。
お前を、命をかけて助けて、愛してくれた女を」
「できない……あんたを犠牲にして、自分だけ生き延びるなんて……」
「犠牲なんかじゃねえよ。俺はもうこの人生に満足してんだ。
ただ体の使い道があるなら、使った方がいいだろ」
「満足だなんて……なんであんたまで、近藤先生と同じような事、言うんだよ……」



