幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「総司」


「やめてください」


「そう言うな……これが最後なんだから」


「最後だなんて、言わないでください!聞きたくない!」


総司は首を横に振り続ける。


「嫌だ!土方さんまで失ったら、俺はどうしたら……」


嗚咽が混じる声で、土方さんの手を握って自分の額につける。


総司の涙が、あたしの手をつたい、落ちた。


「……甘えたこと、言ってんじゃねえ!」


──バシッ!


さっきまでの弱弱しい声が嘘みたいに、厳しい怒号が響いた。


びっくりして涙を拭けば、頬を真っ赤に腫れあがらせた総司の顔が見えた。


土方さんが……総司を殴った……。


「おめえは俺たちとは違う。
楓を、幸せにしなきゃいけねえ立場だろうが!」


総司を叱咤する土方さんの目は、京にいたころのように、強く燃えていた。