幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「はい」


「お前は……いっつもへっぽこで……失敗ばかりしやがって……」


「ごめんなさい……」


「でも、池田屋での働きは……大したもんだったぜ……」


土方さんはうなだれるあたしの頭を、空いた手で優しくなでた。


「総司が弟なら……お前は妹みてえなもんだった。
もっと……可愛がってやりゃ……よかったな。
バカだとは思ってたが……決して、嫌いじゃ……なかったぜ」


この人は……どうして、いつも憎まれ口ばかり……。


言い返そうと思うのに、溢れてくる涙が喉をふさいでいるみたいに、声が出ない。


「これからも総司を、頼む。俺の大事な弟分だ。
見た目が俺になっちゃあ嫌だろうが、最後まで……面倒見てやってくれ」


「は、い……」


もう、土方さんはとっくに覚悟していたんだ……。


そうじゃなきゃ、こんなにすらすらと最後の言葉が出てくるわけがない。


彼の最後を予感して、涙が止まらない。