幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「悪いな……どうやら、この魂はもうもちそうにないらしい」


周りをあたしたちに囲まれた土方さんは、一言一言、ゆっくりと紡ぎだした。


「どうやら魂自体に傷を付けられているようだ。
体じゃなくて、心から腐ってボロボロになっていくのがわかる」


「どういうことさ?」


平助くんが聞くと、土方さんは気が進まないようで、ぼそぼそと低い声で話し出す。


「この俺が、『早く死にてえなあ』とか思っちまうんだよ」


めまいがするたびに強い自己嫌悪や自傷衝動、不安に襲われていたと、土方さんは初めて暴露した。


斉藤先生だけは土方さんからの文でそれを知っていたようで、驚いた様子を見せなかった。


「そんな……それって、ただの気鬱じゃないんですか。
土方さん、怪我をしてからも働いてばかりだったから」


総司が言うと、土方さんはゆっくり首を横に振る。


「現に、魂が体から離れかけているんだ。
ときどき、自分を上の方から客観的に見ているような錯覚に陥る。それがそういうことだろ」


そんな……。