幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



部屋に運ばれた土方さんに水を持っていくと、彼は既に布団に横たわっていた。


斉藤先生と平助くんが、心配そうに見守っている。


「斉藤先生……」


土方さんの傍に座り、あたしは朧が言っていたことを斉藤先生に話す。


黙って話を聞き終えた斉藤先生は、眉根にシワを寄せて小さな声で返事をした。


「……その忍の言うことは、単なる脅しではないだろう」


ということは、本当に土方さんの魂が体から離れかけてしまっているということ?


すがるように見つめると、斉藤先生は懐から朧の呪符を取りだした。


「土方局長は、この術の察しがついていたようだ。

お前が届けてくれた文に、『自分はもう長くないかもしれないから、戦闘がひと段落したら帰ってきてほしい』と書いてあったから、驚いて急いで来たんだ」


土方さんがそんなことを……。


「近藤さんと自分が同じ術にかかっているかもって、覚悟はしていたんだね」


平助くんも深刻な表情。