幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「呪術なんか……そんなものに、負けたりしない」


あたしの血がある限り、何度だって助けてみせる。


今、土方さんを失うわけにはいかないのだから。


「お前の血で、呪いを消せると思うか。それが愚かだと言うのだ」


朧は銀色の前髪を揺らし、くつくつと喉で笑う。


何がおかしいの?


「確かにお前の血は貴重だ。しかし、その血はどうやってできたか知っているか?」


「それは……両親が、毒や呪術をあたしの体に……」


「そうだ。お前はあらゆる病原体や毒、呪術を薬師の両親によって投与され、それに耐えられる体液を作ることのできる体を手に入れた。
しかしそれは、その時点での『あらゆる病と呪い』に適用できるということだ」


どういうこと?何を言っているの?


朧はくぐもった声で続ける。


「つまり、お前が幼いころからあった病気や呪いには、その血は有効だ。
しかし、最近出てきた新しい病や呪いには効かないということ。
その証拠に、お前の両親はその頃なかった伝染病で死んだ」


「そんな!」