「いた!」
雨水を跳ねながら、必死でそっちの方へ近づく。
「土方局長より伝令!斉藤先生はどこか?」
見覚えのある顔を捕まえて聞くと、あっさりと指をさして教えてくれた。
そちらへ向かうと、斉藤先生は戸板に隠れ、隊士たちに指示を出しながら斬り込む瞬間を狙っているようだった。
気づけば、白河城は目の前。
雨と同じように降ってくる銃弾の中、味方も必死で応戦している。
あの門が開いたら、斬り込めるのに……。
とにかく、あたしは与えられた任務を果たさなきゃ。
「斉藤先生!」
「楓?」
声をかけると、斉藤先生は驚いた顔で目を丸くしてこちらを見た。
「なぜこんなところへ?」
ひさびさの再会の嬉しさより、驚きの方が大きいみたい。
「土方局長より、文を預かってまいりました」
「お前が?よほど至急の用事か」
「さあ……それは聞いてませんけど」
「そうか。とにかくよく来たな。たしかに受け取った」



