幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



白河城下に着いたのは、半刻ほど後のことだった。


昼近くなってきた城下では、すでに激しい戦いが始まっている。


雨が降っているにも関わらず、あちこちで銃や大砲の音がした。

あたしは馬を木に繋ぐと、打ち壊された民家の影に隠れながら、戦場へと近づく。


新撰組や斉藤先生は、前線にいるはず。


会津や列藩同盟軍の旗が見えてくると、味方にも見つからないよう、銃弾を避けながら前へ進む。


敵の方からの銃撃はひっきりなしに続いているのに、味方から撃ち返す数が少ないように思えて、不安が募った。


やっぱり、武器の性能の差が出ているのかな。


ぬかるみに足を取られる。


重みが邪魔になった笠と蓑を投げ捨てると、雨が直接肌に打ち付けられた。


「新撰組どこだ~?」


怪しまれると面倒だから、味方にもうっかり声をかけるわけにもいかない。


とにかく前線の方へと隠れながら進んでいくと、白地に黒い『誠』の文字が書かれた旗を見つけた。