「それなら俺も」
「お前はでかいから目立つんだよ。ここはちっこい楓に任せておけ」
「そうだよ!」
ちっこいって、ちょっとけなされた気もするけど、そこは忘れよう。
「でも、危険じゃないですか」
「文を届けるだけだ。楓、敵と遭遇しても戦うなよ。命をかけて逃げてこい」
命をかけて戦う、じゃなくて逃げるのね。
「はい!大丈夫、あたしは元くのいちなんだから」
忍は書いて字のごとく、忍ぶのが得意なんだもん。
隠れてささーっと移動するのが忍者ってもんよ。
「へっぽこじゃねえか」
「へっぽこだけどな」
総司と土方さんが口をそろえて突っ込んできた。
こんな時だけ結託して、ひどい!
「へっぽこ言うな!」
あたしは土方さんの手から文をひったくると、すぱーんと襖を開け、どすどすと廊下を歩いていった。



