「土方さん?土方さん、見えてますか?」
土方さんの視線が、宙を舞ったまま定まらない。
総司が心配して、彼の目の前で手のひらを振る。
「あ……ああ、大丈夫だ。すまねえな、楓」
ハッとした顔の土方さんは総司から離れると、ふうと息をついた。
ちょっとぼんやりしただけだったの?
「すげえな、お前の血は。一瞬で治っちまった」
「土方さん、今みたいな発作はいつから?」
「今が初めてだ。ふわっとめまいがすることはあったが……」
総司がお茶をすすめると、土方さんはそれを勢いよく喉に流し込む。
良かった。胸の痛みや息苦しさはなくなったみたい。
「とにかく、お前の手当てをしよう」
そう言って土方さんは立ち上がろうとする。
そんな彼を制し、総司が薬や包帯を荷物から取り出し、あたしの傷の手当てをしてくれた。
その間、土方さんはまたぼんやりと宙をにらんでいるような顔をしていた。



